マシニングってなに?旋盤となにが違うの??素人事務員のお勉強③
こんにちは~。
すっかり新人と名乗るのはおこがましい年季が入ってきた事務員です!
ですが事務員なので、加工に関してはド素人!いい加減にしろ ~!
というわけで、今回はマシニングって何なの?と会長を追いかけまわして訊いてみました!
弊社では旋盤と双璧を為す主力事業であるマシニング。
「回転カッター」と例えている漫画がありましたが、両者の違いはというと…。
旋盤は削りたい品物を回転させて、固定した刃を当て加工します。
それに対し、マシニングは、固定した品物に回転する刃を当て加工するものです。
回転するものが、旋盤は品物、マシニングは刃で、
固定するものが、旋盤は刃、マシニングは品物、という違いが両者にはあります。
旋盤は中心を軸とした円柱を作ったり穴を開ける加工ができます。
対しマシニングは刃を回転させるので、上記の2つに加え、
*任意の箇所に穴を開ける、削る
*四角く削る
ことができます。
極端な話をすると、文字や図形を彫ったり、彫刻もつくれるそうです!
そういえば社長が以前、新郎新婦の名前を彫刻した結婚式のウエルカムボードを作っていました!
たとえばこちらの部品。
旋盤とマシニングの両方の機械を使って加工しています。
ではここで問題です!ででん!
上の画像の品物は、どこが旋盤加工で、どこがマシニング加工でしょ~うか?
正解は…
赤線の部分が旋盤で加工した箇所、
黄線の部分がマシニングで加工した箇所です!
旋盤の加工部分は製品の中心が軸になっていて、
マシニングの加工部分は穴の中心を軸にしている、または自由な図形を描いています。
マシニングは技術さえあれば文字だって彫れますからね、こんな加工もお茶の子さいさいです!
でもでも旋盤だって、職人の手にかかればこの通り!
じゃじゃん!
こんな形状のものだって作れます!
ぜんぜん丸くない品物ですが、よく見ると左右対称な円柱形なので旋盤のみで作れます!
輪切りにして丸ければだいたい旋盤でいけます!!!解釈が雑!
特殊な刃を使えば、旋盤でこの滑り止めみたいな模様を付ける加工もできるそうです。
ではでは、鋳造やプレス、溶接など、数ある金属加工のなかで、旋盤・マシニング加工が選ばれるのはどんな場合でしょうか?
それは…
1.量産したいとき
機械でプログラムを組んで削るので、量産が可能です!
ただし、大量生産であれば鋳造のような型を取る製法の方が早いしコストもかかりません。
ですが型を取る費用を回収できない程度の量産の場合は、旋盤・マシニングでの量産の方がコストを抑えられる場合もあります。
適材適所です!
そして…
2.複雑な形状の場合
横からグサッと穴が開いていると、型から品物が外せないので、鋳造などの型を使う加工方法は向きません。
こういったものはマシニング加工にお任せください!
あとは…
3.精度が必要な場合
丸いものの精度なら旋盤加工の右に出るものはいません!
精密機器の部品の加工は特に精度が求められるので、旋盤加工はそういったご依頼をいただくことが多いです。
それから…
4.強度
継ぎ目がないので、溶接などで加工するより強度が高いです!
弊社が得意とするクランク軸は、中心軸が一定でない(偏芯軸と呼びます)円柱形です。
本来旋盤加工は軸が中心のものしか加工ができない仕様なのですが、秘伝の技で偏芯軸も加工できちゃうので、
溶接不要で強度が必要な場面にもってこいです!
主に自動車やコンプレッサー(空気圧縮機)などの部品としてご依頼をいただいています。
はい!
長くなりましたが、旋盤とマシニングは品物が回るか刃が回るかの違いがあることと、
それによって加工できる形状が異なるということが分かりました~!
あと、なんで一個一個手作業で削る必要があるのかとか、
数ある加工方法のなかで旋盤マシニングが選ばれるのってどういう場面なのかとか、
疑問に思っていた部分が腑に落ちてすっきりしました。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!